初めてブレードの工場に入り驚いたのは、工場に鳴り響くブレードを編んでいる音!編み機がカシャカシャと音をたてながら、細くて長い長いブレードが作られていました。
また、機械の種類の多さにもびっくりでした。様々な種類の機械があるということは、ブレードが完成するには、それだけの製作工程が必要だということ。これだけの機械を日々メンテナンスし、調子が悪いと修理されるんだろうなぁ~と思うと、その膨大な仕事量に、またまた驚いてしまいました。
ブレードの作り方を簡単に説明すると、顧客のニーズに合わせて、使用する糸を考え選ぶことから始まり、糸を編み機にセットし製造。そして検品しながら、台紙等に巻いていく。いやいや本当は、そんな簡単じゃありません。やることがいっぱいでした。
例えば、ブレードが編まれている機械を見ていると、経糸に何か重りみたいな物が所々にかかっていました。理由を尋ねてみると、ブレードの柄を均一に綺麗に仕上げるために、お手製の重りを用いながら糸の張りを調節されているとのこと。ブレードのデザインの一部が浮いたり歪むこともなく、ピシッと美しく揃っているのが、決して当たり前ではないということを知りました。
海外製の安価な手芸ブレードが出回っているなかで、日本製の高品質なモノづくりには、このような職人の豊富な経験と技が詰まっていることをあらために実感した出来事でした。
また、ユニークな機械も紹介していただきました。完成したブレードを角台紙に巻いていく機械です。実は、この会社から発注した商品を受け取るたびに、うっとりすることがあるのです。それは、届いた段ボール箱の中に、芸術品のように美しく台紙に巻かれたブレードが整然と並べられているんです!
毎回どうやってこんなに綺麗に台紙に巻けるんだろうと、何度見ても感激し、惚れ惚れしていました。
工場見学をして、やっとその理由がわかりました。機械が自動的にブレードを台紙に巻くのではありません。
人が機械を使って検品しながら、巻いていたのです。そしてその作業に誇りと情熱を持って、取り組んでいる社員がいるのです!
私もブレードの台紙巻きを挑戦させてもらいましたが、当然上手く巻けませんでした。
出荷前の最後の工程にまで、こだわりをもって商品に愛情を注ぐ社員の姿勢を見ていると、本当に脱帽です。
私たちもお買い上げいただいたお客さまに、同じように愛情をもって大切に、ブレードの商品を届けたいといつも心がけています。
工場見学を終えて、私が一番印象に残っているのは、「ブレードは素材ありき」とおっしゃられた社長さんの言葉でした。つまり、ブレード製造にはデザインに合わせて、どんな素材を使うかが重要であるということ。糸の構造から染色まで、幅広く豊富な知識がある社長さんの情熱に、大変感銘を受けました。
トリミングブレードは飾り編物です。細いのにちゃんと編み機で編んで完成するのです。
こんな丁寧にモノづくりをされたトリミングブレードは、間違いなく主役級です!一般的に手芸ブレードは、副資材と呼ばれる小さな素材パーツかもしれません。そんなブレードだからこそ、高品質で綺麗な製品だと、きっと作品全体の完成度が高くなるに違いありません。神は細部に宿るんです。
アオイイト衣装研究所が自信を持って販売する、ハイクオリティな国産ブレードを使用して、ぜひクリエーターの皆さまに素敵な作品作りを楽しんでいただけたらと願っております。